【中編】彼女様は甘い味。
【Two story.】
堕天使、天使!?
あれからと言うもの…
奏音の頭の中では全てがギクシャクするものだと思っていたのに、
…案外、そうでもなく?
「桜木ー、今日も一緒に帰ろっ」
何故か…。本当に何故か!
あの次の日から隼人くんは自らの宣言通り、
『…もう“良い人”でいるのは止めるよ…
本気だから、俺』
確かにいつもっていうか昔からの優しい隼人くんではなく…ちょっと強引な隼人くんになってしまって…。
「…あ、はぁ…」
そしてこの押しに弱い奏音の性格。
「だーめっ!!
…いい加減、奏音レンタル期間は終了!」
か、奏音。レンタル期間…っ?!
何ですかソレ???
あんぐりと口を開けたまま恵の顔を間抜け面で見る奏音。
「何それ?」
あたしと同じことを思ったのか隼人くんはそう言う。
「…簡単に言えば、練習に連れてくのっ!!
だから大杉はばいばいっ」
「恵ちゃん…、ちょっとそれとこれとが何だか…アレで…その。」
言っている意味が分からない。
…分かりやすく説明すれば、それとこれとは話が違うんじゃないか?と言いたいわけで。
ちょっと、待って下さいよ…っ!
「いいから行くの」
…っ!
結衣ちゃんのその一言で、もがいていたあたしの動きも止まる。