【中編】彼女様は甘い味。
…このお方はまったく“性格”と言うものがよく分かりません。です、
「愁さぁ、簡単に奏音ちゃんに触らないでよね〜
…俺、奏音ちゃんに逢えなかった間、死にそうだったんだよ?」
何が…、ですか?
キョトンとした奏音の表情を見て、クスリと微笑。
するとゆっくり近付いてきて…
『…欲求不満、でね?』
頭の中に響く先輩の声。
…欲求不満。
ヨッキュウフマン…!?
「先輩、奏音に何を言ったんです…?」
と、不機嫌な結衣。
「ひっみつ〜」
ヘラヘラの京也。
「…あまりふざけすぎるなよ、京也」
この徹の一言で一時の沈黙。
いつも結衣ちゃんが何か言うと、一言ボソッと言うんですよね…
山瀬先輩は。本当に。
…やっぱり先輩も結衣ちゃんのこと、
「…おい、」