【中編】彼女様は甘い味。




しかし…、


あの怖い連先輩からは想像もできないような歌詞だったわけでして、…少しばかり困惑気味。

やっぱりあの焦り様、きっと、きっと好きな方へ向けた歌なのですね。



「…お前、本当は見たんだろ?」

頭上からそんな声が聞こえてその瞬間に跳ねる心臓。


…へ、?



「な、な、なーにを言ってるんですかぁ!!」

と、嘘バレバレの奏音。


床にあった白い紙はもう先輩の手に握られていて、あたしを怪しむような目でジッと見てられて…

そのせいで泳ぐ目。



「…バレバレだよお前、」

そう言いながら、奏音の手に握られていた自分の上着を取って着用する。



そして…、あたふたする人が約一名。




殺される、コロサレル!!!

見て、見てしまった…


これはやはりあたしの責任であって仕方のないことです…もうここは腹を括り、命を掛ける覚悟を、


さぁ…っ!!

似るなり焼くなり吊るすなり?…、好きにして下さいっ!



…と、若干、と言っても大半の考えは間違ってはいるが、腹を括ったらしく奏音は、ギュッと目を瞑る。




そして少しの沈黙の後、


「…あー、まぁ別に怒ってねぇから、安心しろ」


怒って、ない…?



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