【中編】彼女様は甘い味。
「…は、へ?」
思っていた言葉とは違う言葉が返ってきたことに驚き、何故か言葉という言葉を話せない奏音。
いつもなら…、
『なっにすんだよ!…ふざけんじゃねぇぞこの野郎、あ゛?…ぶっ殺す』とおっしゃるのに…
※悪魔でも奏音の想像です。
「だから…、俺様が許してやるっていってんだよ、馬鹿ウサギ。」
あたしの頭を軽く叩くと先輩はそう言いました。
「…怒られるかと、思いました…」
正直な感想。ポロリと口から出てしまう。
「俺が寝てたんだし…、
…つーか、悪かったな、前」
ポリポリと頭を掻くと、少しあたしから視線を外した。
悪かったな、?
前?
あ、…もしかして。
“お前と居ると苛々する…”
珍しくまた奏音の理解するまでの時間は速く、少し関心。
「いえ…、あたしこそ申し訳ありませんでした…
きっと先輩の気に障ることをあたしが言ってしまったんだと、
もしくはあたしの存在自体に何か問題が!?
…あぁ、だから本当に反省していまして…、そしてやはり…「分かった!!」」
…??
先輩の声によって止められてしまったあたしの反省の言葉。
「分かった、…お前の気持ちはよく分かったから黙れ!!」
「……。」
「……っ!
だからそういう意味じゃなくて…」
また頭をポリポリと掻くと大きく一つ溜め息を。
やっぱりまだ奏音の理解力は平均までに達していなかったようで…