【中編】彼女様は甘い味。




「…は、へ?」

思っていた言葉とは違う言葉が返ってきたことに驚き、何故か言葉という言葉を話せない奏音。


いつもなら…、

『なっにすんだよ!…ふざけんじゃねぇぞこの野郎、あ゛?…ぶっ殺す』とおっしゃるのに…


※悪魔でも奏音の想像です。



「だから…、俺様が許してやるっていってんだよ、馬鹿ウサギ。」


あたしの頭を軽く叩くと先輩はそう言いました。



「…怒られるかと、思いました…」

正直な感想。ポロリと口から出てしまう。



「俺が寝てたんだし…、

…つーか、悪かったな、前」


ポリポリと頭を掻くと、少しあたしから視線を外した。



悪かったな、?

前?




あ、…もしかして。


“お前と居ると苛々する…”




珍しくまた奏音の理解するまでの時間は速く、少し関心。


「いえ…、あたしこそ申し訳ありませんでした…

きっと先輩の気に障ることをあたしが言ってしまったんだと、
もしくはあたしの存在自体に何か問題が!?

…あぁ、だから本当に反省していまして…、そしてやはり…「分かった!!」」


…??

先輩の声によって止められてしまったあたしの反省の言葉。




「分かった、…お前の気持ちはよく分かったから黙れ!!」


「……。」


「……っ!

だからそういう意味じゃなくて…」


また頭をポリポリと掻くと大きく一つ溜め息を。



やっぱりまだ奏音の理解力は平均までに達していなかったようで…



< 81 / 189 >

この作品をシェア

pagetop