【中編】彼女様は甘い味。
「…今決めろよ、」
バッと剥がされた身体。
向きあったあたしの顔と先輩の顔。
「決めろ、…って?」
「…だから
傍にいるなら居ろ、離れるなら離れろ」
それって…?
…どういう意味ですか?
もし今、あたしが傍に居ると答えたら、先輩はずっと傍に居てくれるのでしょうか…?
先輩。
…あたし、少しばかり自惚れても良いのでしょうか…?
「……いたいです、傍に
ずっと、ずっと先輩の傍にいたいですっ!!」
真っ赤に紅潮した頬で、身を乗り出すように言うと、蓮二も少しそんな奏音の姿を見て無意識に照れてしまう。
「そんなに、…お前が居たいって言うなら、
…別に俺はお前に側に居ろなんて言ってねぇからな!?」
素直じゃない。この人は…
けど、奏音は単純だから。
「…ありがとうございますっ」
ニッコリと微笑んで笑った。
「あ、お前…鼻血乾くぞ」
「…え゛っ?!?!」