【中編】彼女様は甘い味。
…やっぱりこの気持ちが“恋”なのでしょうか、
「でも、本当にそうかはまだよく分からないのです…」
顔を赤らめてそう言う奏音を可愛いと思ったのか何なのか、よしよしと頭を撫でてあげる結衣。
それを見て苦笑いの恵。
「…奏音は、姫山先輩と居るとどんな気持ちになるの?」
優しく結衣ちゃんはそう聞いてくれました。
どんな、気持ちでしょう…?
「こー単純に、胸がドキドキする~とか、幸せな気持ちになる~とか…」
あまりにも考え込む奏音を見兼ねた恵が手を大きく使う表現をしつつ説明。
…た、確かに…っ!
「なりますっ!!
…連先輩と居ると、こう何だか…」
頬を更に赤らめて俯き加減に濡れた瞳を恵に向ける。
「…あー、もう!苛めたくなるよぉ~っ」
するとギュッと人形を抱きしめるような感覚で奏音を強く抱き締める。…まるで本当の人形みたいにされるがままの彼女。
でも、そんな接触を許さないと言わんばかりに結衣が奏音を取り返す。
「…っ、ふあぁっ?!」
ボーっとしっぱなしの奏音はしばらくの間、結衣から恵へそしてまた結衣へと奪い合いの中に居たわけでして。
…結衣ちゃんと恵ちゃん、
今日はいつもよりとても元気でいられて、本当。…ちょっと、
さすがの奏音も心の中で苦笑い。
「…あ、」
そんな中、急に動きを止めた恵ちゃんがあたしの顔をジッと見つめてきて、…どうしたのですか?
そのままその瞳をジッと見つめ返してみる。