【中編】彼女様は甘い味。
「それより、
…いつから“蓮先輩”に変更になったわけですか?」
と真顔でそう言う。
…いつから?
あ、あの練習の時に、
「複雑化する少し前です!」
…複雑化?
やっぱり奏音の言うことはよく分からない。
大体、そう言ったところで肝心のいつかは分からないまま。
「…そうかぁ、
で、先輩とはいい感じなの?」
そんな奏音に苦笑いを浮かべつつ恵はそう聞く。
よくある女の子たちがするような話。
「…いい感じ、とは?」
「げ、!…分かってねーのかよぉ」
お昼のコンビニに売っているようなサンドイッチを頬張りながら、恵が嫌そうな顔をした。
そんな顔、されなくても。…いいじゃないですか、
「徹くんによれば、姫山先輩の調子も元に戻ったとか言ってたわ…?
…それに何だか機嫌が良いみたい」
またお弁当のおかずをパクッと口にする。
結衣ちゃん、ご飯を食べる時も綺麗です…
「それって明らかじゃん」
また苦笑いの恵、…それに対して人差し指を口元に当てて『シー』と言う結衣。
…もちろん。そんなの奏音には聞こえてない。
「良かったです…、
先輩やっと元気になられたんですね!」
「そーだねー」
さっきのサンドイッチをパクパク食べながら、もう面倒なのか何なのか適当にそう言う。
「あっ!…今日の占いです」
よくあるミニグラタンの底に書いてある占いのようなもの。
ラッキーアイテムなどを教えてくれたりする。