【中編】彼女様は甘い味。




どうやらやっぱり、結衣は奏音に優しいらしい。


「…いいのよ、気にしないで?」



「気にしないで?…だってさぁ~」

結衣の言葉に対して小馬鹿にするような態度を取る恵を結衣はキッと鋭く睨みつけた。



「でも、…あの…

…どちらからその、告白、というものをしたんですか…?」


そんな二人の空気も感じることもない奏音は、少し顔を赤らめて自分の中の疑問を聞いてみたりする。



どちらからなんでしょう…?

もしかしたら結衣ちゃん、いやっ!もしかしたらの山瀬先輩かもしれません!!


と、心の中で盛り上がる。




「えっと…」


そう言った瞬間、黙りこむ二人。



何だかんだで恵はどちらから告白したとかは知らなかったらしく、興味津々な感じが漂っている。





「徹くん、よ…?」

珍しく少し恥ずかしそうな顔をする結衣ちゃん。



…そして赤面する奏音。

何故、奏音が顔を赤くして照れるのかはまた、謎。



「マジかよーっ!!

…あ゛ー、あたしも彼氏欲しい!ズルイ!ヤダァー!!」


恵ちゃんの声が近くに座っていた人達に聞こえたのか、周りが変な目であたし達を見てきます…



もう、恵ちゃんは困った人です…、



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