コバルトブルーの誘惑
求愛するオトコ
翌朝月曜日。
新橋駅から、歩いて10分のオフィスビルの5階に私の勤める「ヒューマンエナジー」という、小さな人材派遣の会社がある。
今日も派遣社員として働きたいと言う女性と、職種や、勤務の条件などの面接を終え、
どんな所で働いてもらおうかなど、悩んでいると、課長がやって来て、
「部長が呼んでる。」と言われ、課長の後に付いて歩くと、小さな会議室に連れて行かれた。
これって、担当の社員のクレームが派遣先から来たのかしら…と思うと、
「岸谷さんに指名があって…」
「社員さんからですか?」と不思議に思うと、
「岸谷さんを派遣してほしいと…」
「…私は派遣社員ではありませんけど…?
それに、特殊な技術も持ち合わせていません」と唖然とした顔をすると、
「その会社が岸谷さんを派遣してもらう代わりに、他の派遣社員も受け入れるっていうんだ。」
は?なんだそれは?
「今まで取引がないところだしね…でも、老舗の洋食器ブランドなんだよ。」
「…」
「君を秘書として採用したいっていうんだ。条件もすごくいいよ。
ここより給料がいいのは確かだし…福利厚生もきちんとしてる。
『アンダーソン』ってイギリスの洋食器のメーカー。知ってるだろう。」
…知ってはいますが…
『アンダーソン』って?昨日の嶺緒との会話にも出たけど…なんで?
「秘書は出来ないと思いますが…」
「僕も、そう言ったさ。でも、『紅茶を美味しく入れる秘書が欲しい。』って
君は紅茶を上手くいれられるっていうんだ。変だろう?」
…絶対変です。
「…部長、お断りしてもいいですか?」
「いや、業務命令かな。君は出向扱いで6カ月間『アンダーソン』に勤務してもらう。
今日の午後から引き継ぎをして、明日から、アンダーソンに勤めてくれ。
…新しい派遣先の獲得はこの会社にとって大切だ。」
…そういう事。
『アンダーソン』の秘書?
絶対、嶺緒が関係してる気がする。
『アンダーソン』の人事にでもいるのだろうか?
新橋駅から、歩いて10分のオフィスビルの5階に私の勤める「ヒューマンエナジー」という、小さな人材派遣の会社がある。
今日も派遣社員として働きたいと言う女性と、職種や、勤務の条件などの面接を終え、
どんな所で働いてもらおうかなど、悩んでいると、課長がやって来て、
「部長が呼んでる。」と言われ、課長の後に付いて歩くと、小さな会議室に連れて行かれた。
これって、担当の社員のクレームが派遣先から来たのかしら…と思うと、
「岸谷さんに指名があって…」
「社員さんからですか?」と不思議に思うと、
「岸谷さんを派遣してほしいと…」
「…私は派遣社員ではありませんけど…?
それに、特殊な技術も持ち合わせていません」と唖然とした顔をすると、
「その会社が岸谷さんを派遣してもらう代わりに、他の派遣社員も受け入れるっていうんだ。」
は?なんだそれは?
「今まで取引がないところだしね…でも、老舗の洋食器ブランドなんだよ。」
「…」
「君を秘書として採用したいっていうんだ。条件もすごくいいよ。
ここより給料がいいのは確かだし…福利厚生もきちんとしてる。
『アンダーソン』ってイギリスの洋食器のメーカー。知ってるだろう。」
…知ってはいますが…
『アンダーソン』って?昨日の嶺緒との会話にも出たけど…なんで?
「秘書は出来ないと思いますが…」
「僕も、そう言ったさ。でも、『紅茶を美味しく入れる秘書が欲しい。』って
君は紅茶を上手くいれられるっていうんだ。変だろう?」
…絶対変です。
「…部長、お断りしてもいいですか?」
「いや、業務命令かな。君は出向扱いで6カ月間『アンダーソン』に勤務してもらう。
今日の午後から引き継ぎをして、明日から、アンダーソンに勤めてくれ。
…新しい派遣先の獲得はこの会社にとって大切だ。」
…そういう事。
『アンダーソン』の秘書?
絶対、嶺緒が関係してる気がする。
『アンダーソン』の人事にでもいるのだろうか?