コバルトブルーの誘惑
5年ぶりに嶺緒と再会する事について数日迷ってからメールのやり取りをし、私の夏休みの終わりの週末を使って、都内と京都の街を1日ずつ、案内する事にした。

嶺緒は私の交通費や、宿泊代も払ってくれると言う。何度か断ったけれど、美味しい食事をご馳走する。と約束して、甘える事にした。

「学生じゃない。大人になった。」と直前の電話の向こうで流暢な日本語で言った彼に驚くと、

「舞に会いたくて、勉強した。」と笑った声を出すので、

「そういうのを『お世辞』と言うんです。」と笑い返して、成田に迎えに行く。と約束して電話を切った。

カタカナだけじゃなくて、本当に会話も問題ない。

ハワイにホームステイに行った時も、私は会話は度胸だけで、(日本語がわかる人も多いから留学先に決めた部分もある。)過ごしたので、ものすごくホッとしていた。
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