コバルトブルーの誘惑
嶺緒は交換条件を出した訳じゃない。

私と働きたかったって事ですか?

ケンさんも仕方なくって方法だったって事。



まあ…なんて言うか…

あの…そばに置きたいって言ってますか?

と気付いた途端に顔が赤くなっていく…


「あー、赤くなってる。嶺緒がなぜこんな事をしたのかって気付いちゃった?」と笑いながら、私と腕を組み、東京駅近くの外資系のホテルに入っていく。

嶺緒に部屋ってここ?

サラさんがフロントでカードキーを受け取り、30階のボタンを押す。

「長期滞在用のマンションみたいなもん。眺めがいいのよ。舞も一緒に住めば。広いし。」とサラさんは私に微笑みかける。

「私はそんなつもりは…」

「5年ぶりだもんね。すぐには無理か、日本人だし。」

いや、日本人は関係なさそうだけど…

「嶺緒ってカッコいいでしょう?」

「まあ、それは…」

「ああ見えて、仕事も出来る。
アンダーソン一族の御曹司だし…今の本社の社長の弟の息子。優秀だから、次期社長の右腕になる予定。で、半年後にはとりあえず、日本支社を任される事になってる。
優良物件でしょ。」

「はあ…」

「もー、はっきりしないわねえ。」とくすんと笑う。


なにをハッキリさせるの?

だって、嶺緒に何も聞いていないし…







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