コバルトブルーの誘惑
男性2人はワインとステーキを頼んで仕事の話をしながら食事をとり、
食後にチーズとウイスキーを持ってソファーに移動してそれぞれ私達の横に落ち着いて座った。(もちろん、嶺緒は私にぴったり寄り添っている)

私とサラさんは紅茶を飲みながら、嶺緒がお土産に買ってきてくれた近くの有名ケーキ屋のマカロンをつまんでいた。
(こんな時間に食べたら、太るうと小声で文句を言いながら…美味しいと3個も食べてしまった。)



ケンさんは1杯だけウイスキーを飲み干すと、
「さて、帰るか。」とサラさんの腕を取ったので、

「じゃあ、私も。」と立ち上がると、

「待って。まだ、何も話してない」と嶺緒は私の手を掴む。

「だって、家遠いし…今日はもう、いい。サラさんと仲良くなった。
明日は仕事に行きます。」と言うと、

「泊まって行きなよ。舞に衣類もコスメも用意した。」とケンさんは言う。

「私が泊まれるように用意した。だからね、泊まって大丈夫。」


「…大丈夫と思えないんですが」

「今日はベッドは別でいいよ。だから、泊まって。」と私の瞳を見つめる。

…まあ、私も嶺緒からちゃんと話を聞きたいと思ってここまで来てるんだけど。



「…本当に?」

「俺は『信用に足る人物』だと思うぞ。」

…どこで、そんな言葉を?

まあ、いいかな。

信用に足る

か…


私は5年前、連絡が来なかった事が引っかっているんだよ。

6カ月間の派遣期間が終わって、会わなくなったら、連絡も来なくなっちゃうんじゃないか…と

心配になんですよ。

私は欲しがれば簡単に手に入るおもちゃなんじゃないかと…

すぐに飽きられて、忘れられてしまうのじゃないかと…

日本に来ることが決まって、急に私の事を思い出して、気まぐれに手に入れたくなって…

こんな事になっているんじゃないかって…


私としては…
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