コバルトブルーの誘惑
部屋に戻って、紅茶を淹れて飲んでいると、
(もちろん、ブルーローズのティーセットが用意されている。)

ケンさんとサラさんがやって来た。
スーツが入っていると思われるケースを持っている。

「おはよう、嶺緒。進展はあった?」とおどけて聞くケンさんに

「恋人になって欲しいって言ったよ」

と言うと、 ケンさんはヒューと口笛を吹く。

「まだ、ベッドルームにふたりでいたらどうしようって話してた」とサラさんが私の顔を見るので、

「そんな事にはなっていません。」

「舞はあいかわらず、ガードが固い。 恋人になれるように僕が頑張るって感じ」と嶺緒はわらう。


「嶺緒って結構わかりやすいオトコだと思うけど?」とケンさんが私の顔をみる。

…見られても困る。

「嶺緒はモテるわよ。早く決めなさい。」とサラさんも私の顔をみる。

夫婦ふたりであんまり見ないで欲しい。

「きっ、着替えてきます。」というと、

「私のオススメ。後の10着、舞の家に送っておいた。」とサラさんがケースをわたしてくれる。
10着も?

「…ありがとうございます。」とため息をついて、借りていた部屋に入る。

…下着みたいにセクシーじゃありませんように。
と心の中で思って、ベッドの上に服を広げた。
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