コバルトブルーの誘惑
お昼はサラさんと近所のサンドイッチの専門店で野菜とチキンのサンドイッチとコーヒーを頼む。

夏の陽射しが眩しい。

昨日から贅沢な食事ばかりしているけど、
こんな風には暮らせない。
彼等のようなセレブと私は違う。

明日からまた、お弁当をつくらなきゃ。
そう思いながらら、サンドイッチを頬張ると、

「舞は嶺緒のことどうおもってるの?」と聞かれて返事に困る。

「どうって言われても…」とサラさんをみると

「嫌ってわけじゃなさそうだよね。キスしてるし」

「あれは…してるんじゃなく、されてるって感じで…」

「積極性にかけるなあ」

「まだ…決心がつかない。5年ぶりに会ったばかりだし、」

「知ってる?
恋に落ちるのに5秒かからないって」

…恋ってそういうものかもしれないけど…


「前に会って時、私は恋人だったって思ってた。
でも、お互い留学先から戻ったら、嶺緒から一度も連絡は来なかった。
…傷ついたな。
バカンスでの恋の相手だったと思った。
だから、今回は慎重なの。
それでもいいって思えたら…
付き合えるかもしれない」とサラさんに言うと

「今回はバカンスの恋ってワケじゃないと思うけど…」

「うーん、またすぐに飽きられて…別れていくかもって…また、傷つくかもって…」

「傷つかない恋ってあるの?」

「今は傷つくのが怖い。」 と言うと、


やれやれ
とサラさんは大きなため息を吐いた。





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