コバルトブルーの誘惑

愛することを誓いますか？

私が『アンダーソン』で働き初めて2週間経った。

少しずつ、仕事に慣れ
通常の業務はサラさんに確認しながら少しずつ出来るようになって来た。
まあ、もちろんまだまだだけど…

午後の3時に嶺緒に紅茶を出すのが習慣になっていき、
ケンさんはその時間に仕事を空けるようにスケジュールを組んでいるようだ。
嶺緒は副社長に就任したばかりで、
自分の考えたようにはなかなか仕事が進んでいないようだ。
嶺緒はいつも、眉間にしわを寄せて仕事をしている。
カッコイイと評判なのに、勿体無い事だ。


でも、私とお茶をし、たわいのない話をした後は
少し楽観的になるらしく、ケンさんを安心させているようだ。

毎回嶺緒はその時間に私を固く抱きしめる。
お互いの鼓動と呼吸を確かめるように…
そして、「舞が好き」と囁いて私の身体を離し、私の瞳をブルーの瞳で覗き込む。
私の返事を待つように…


今日も私を抱きしめた後、

「舞とデートをしたいのに…今週も会食と取引先とゴルフがあるんだ。
ケンは俺を休ませないつもりなんだよ。
土曜の夕方、食事だけでも出来ないかな？」と私の顔を覗く。

「じゃあ、この近所で天ぷらとお蕎麦はどう？」と聞くと、

「そうしたい。舞が僕の部屋で暮らしてくれればもっと一緒にいられるんだけどな」と私の瞳を覗く。
私は返事をせずに少し笑って

「土曜日19時でいい？」と聞くと、

「きっと、仕事を終わらせる。ケンに予定をいれるなって言っとくよ。」
と嶺緒はため息の後、ニッコリした。