コバルトブルーの誘惑
3月の終わり。

嶺緒は4月からアンダーソン日本支社の社長に就任することになっている。

私達は就任のお祝いに2人でホテルの最上階の高級なフレンチの個室で食事をすることになった。


「社長就任おめでとう。」と私がシャンパンのグラスを上げると、

「ありがとう。
これから、さらに責任が重くなるよ。
でも、舞が一緒にいてくれれば乗り越えていけると思う。
これからも一緒にいてくれる?」とブルーの瞳が私の瞳を覗く。

「もちろん」と私が笑うと、嶺緒は立ち上がって私の前に片膝をついて、

「舞、これからは妻として、僕のそばにいてほしい。
僕は舞を一生愛するよ。」とポケットから豪華なダイヤの指輪を出して私に差し出した。

私は嬉しくて涙がこぼれ落ち、

「私も嶺緒を愛しています。」と立ち上がって嶺緒の手を取ると、
薬指に指輪をつけて私を固く抱きしめた。


「就任式の後のパーティには僕の両親と、舞の両親も招待してあるよ。
6月に、休みを取ってイギリスで結婚式を挙げよう。バラの花がたくさん咲くガーデンパーティーをする会場ももう、予約してあるんだ」

…もう用意してあるの?


「…私がイエスと言わなかったらどうするつもりだったの?」と笑うと、

「考えた事もなかったな。舞は僕を愛してるって思ってるし…」

「自信家なのね」

「舞ももっと自信を持ってよ。僕が舞をとても愛してるって…」

「一生愛すると誓うくらいに?」

「愛してるよ舞。永遠に」

嶺緒は私の耳元でそっと囁いて、

ブルーの瞳で笑いかけてから、深く唇を重ねた。


〜Fin〜
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