二人だけの秘密
*
「はい、今から席替えを始めます」
昼休みも終わって、担任の佐藤先生が教室に入って来た。午後からのホームルームの授業が始まり、予定していた席替えを今からするらしい。
「未来、今度こそ窓際の席になるように神様に祈っとけよ。窓際だからな、窓際。それ以外のことは、今は祈るじゃねぇぞ」
前の席にいる裕也が、真剣な表情を浮かべて僕にそんなことを言ってきた。
「わ、わかってるよ」
口ではそう言った僕だが、心の中では全然違うことを祈っていた。
ーーーーーー美希さんと近くの席になれますようにーーーーーー。
僕の願いは神様に届いたか分からないが、ツクツクボウシの鳴き声が非常にうるさく聞こえる。
「では、取りに来てください」
佐藤先生の合図と同時に、生徒たちが教卓に置かれた手作り感満載のボックスの中に順番ずつ手を入れる。ボックスの中身は、数字の書かれた紙が生徒の人数分入っている。
「………」
僕は、黒板の方に視線を向けた。黒板には基盤目状に直線を引いており、その四角の枠の中にクラスメイト人数分の数字が書かれている。
休んでいる美希さんの分を先に佐藤先生が引いたのか、数字の20のところにはもうすでに佐伯と名前が書かれていた。
「はい、今から席替えを始めます」
昼休みも終わって、担任の佐藤先生が教室に入って来た。午後からのホームルームの授業が始まり、予定していた席替えを今からするらしい。
「未来、今度こそ窓際の席になるように神様に祈っとけよ。窓際だからな、窓際。それ以外のことは、今は祈るじゃねぇぞ」
前の席にいる裕也が、真剣な表情を浮かべて僕にそんなことを言ってきた。
「わ、わかってるよ」
口ではそう言った僕だが、心の中では全然違うことを祈っていた。
ーーーーーー美希さんと近くの席になれますようにーーーーーー。
僕の願いは神様に届いたか分からないが、ツクツクボウシの鳴き声が非常にうるさく聞こえる。
「では、取りに来てください」
佐藤先生の合図と同時に、生徒たちが教卓に置かれた手作り感満載のボックスの中に順番ずつ手を入れる。ボックスの中身は、数字の書かれた紙が生徒の人数分入っている。
「………」
僕は、黒板の方に視線を向けた。黒板には基盤目状に直線を引いており、その四角の枠の中にクラスメイト人数分の数字が書かれている。
休んでいる美希さんの分を先に佐藤先生が引いたのか、数字の20のところにはもうすでに佐伯と名前が書かれていた。