二人だけの秘密
エピローグ
＊

「……ストーカーですね」

微かに懐かしい声が聞こえる。聞いたことがある、とてもきれいでなめらかな声。

「………」

僕は、うっすらと目を開ける。僕のぼやけた視界に、見覚えのある女性の姿が見えた。

濁りのない若干潤った黒目がちの瞳に、見とれるほど美しい繊細な雪のような真っ白な肌。胸まで伸びた黒髪のロングヘアーにすらりとしたモデルのようなスタイル。整った自然な薄いピンク色の唇に、白くて細いきれいな指。

「み、美希さん！」

僕のぼやけた視界に映っていたのは、美希さんだった。久しぶりに彼女の顔を見て、僕は泣きそうになった。

「こんなとろこまで来るなんて、未来さん、ストーカーですね」

美希さんは、目をすーっと細めて言った。

美希さんにそう言われて僕は、辺りを見回した。辺りは琥珀色一色だけの世界がどこまでも広がっており、美希さんと会えたということは、同時に僕は死んだということが分かった。
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