二人だけの秘密
僕はテーブルの上に準備されていた、朝食を食べ始めた。

おわんに入った、温かいみそ汁。茶碗に入った、一粒一粒光沢のある真っ白なお米。

おわんから温かいみそ汁の湯気がゆらゆらと立ち上っている。

僕は、みそ汁をゆっくりとすすった。母親のみそ汁が、僕の口の中に広がる。

今まで何も感じなかったが、社会人となった今の僕は、母親の作る一品一品の料理がとてもおいしく感じられる。

僕はテレビのリモコンを手に取って、電源ボタンを押した。すぐさま機械が反応し、テレビ画面が映る。

「おはようございます。朝から、悲しいニュースをお伝え………」

僕は、すぐにテレビの電源を消した。

六年前までは人の不幸を聞くのが好きだったが、美希さんが亡くなってから、他人の不幸のニュースは好きじゃなくなった。
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