二人だけの秘密
ーーーーーー50分後ーーーーーー。

「もうすぐ、時間ですね」

美希さんが、寂しそうな口調で言う。

「もう、終わり………」

学校の授業の一時間はとても長く感じるが、楽しい一時間はすぐに終わってしまう。

「そう言えば、美希さん。今日も、学校午前中までだったの………?」

「はい、そうですよ。授業は来週からで、今日はクラスメイトの自己紹介と、学級目標を決めていました」

僕の質問に、美希さんはきっぱりと答えた。

「その学校の帰りに、そのままこの仕事に来てるの………?」

気になったので、僕は連続して美希さんに質問した。

「そうです。学校が午前中までのときは昼から出勤しているんですが、通常通りのときは夕方から出勤しています。毎日ではないんですけどね………」

美希さんは僕の質問に嫌な顔一つせず、答えてくれた。

「でも、制服のまま入ったらバレるでしょ。学校でこういう系の仕事は禁止されてるし、見つかったら美希さんの方が僕よりヤバくない?てか、そもそも、働けるの?」

僕は、記者のように質問した。美希さんは何も悪いことをしてないのに、彼女がスキャンダルを起こしたかのように僕は記者のように問い詰めた。

ーーーーーー心の中で、罪悪感が残る。
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