二人だけの秘密
午前中の授業を終え、今は昼休みの時間を迎えていた。しかし、授業中は息が詰まるほど苦しかった。
僕の後ろの席に座っている、美希さん。その美希さんのため息が何度も漏れ、「栗原さんと席、変わりたいなぁ」という声も聞こえていた。
「美希さん………」
僕は、美希さんと裕也の恋愛を阻害する、大きな壁のようで複雑だった。美希さんと席の近くになれたのは嬉しいことだが、僕の目の前に彼女の好きな人がいる。それが、複雑だった。
こんだけがんばっている美希さんには幸せになって欲しい気持ちと、この恋愛に失敗して僕に振り向いて欲しいという気持ち。この二つの気持ちが、ぶつかり合う。
「………」
午前中と同じように僕の机の周りで、三人は楽しそうに話していた。
美希さん。裕也。そして、隣のクラスの友梨。
僕は自分の席から離れ、右手にiPadを持って教室の隅に移動した。遠くから美希さんを見たら、やはり楽しそうに笑っている。
「………」
美希さんの僕に接する態度が冷たくなったのは、二人が現れたのと同時だった。しかも、裕也と喋っているときの美希さんの顔は、すごく楽しそう。
「………」
僕はiPadから、美希さんが勤務している風俗店を調べた。文字入力をし、検索をタッチする。液晶画面に店の公式サイトが写り、僕はそれをタッチした。ぼかした女性の写真が載せられており、その下の出勤情報をタッチした。美希さんの出勤情報を確認すると、今日も出勤することが分かった。
僕の後ろの席に座っている、美希さん。その美希さんのため息が何度も漏れ、「栗原さんと席、変わりたいなぁ」という声も聞こえていた。
「美希さん………」
僕は、美希さんと裕也の恋愛を阻害する、大きな壁のようで複雑だった。美希さんと席の近くになれたのは嬉しいことだが、僕の目の前に彼女の好きな人がいる。それが、複雑だった。
こんだけがんばっている美希さんには幸せになって欲しい気持ちと、この恋愛に失敗して僕に振り向いて欲しいという気持ち。この二つの気持ちが、ぶつかり合う。
「………」
午前中と同じように僕の机の周りで、三人は楽しそうに話していた。
美希さん。裕也。そして、隣のクラスの友梨。
僕は自分の席から離れ、右手にiPadを持って教室の隅に移動した。遠くから美希さんを見たら、やはり楽しそうに笑っている。
「………」
美希さんの僕に接する態度が冷たくなったのは、二人が現れたのと同時だった。しかも、裕也と喋っているときの美希さんの顔は、すごく楽しそう。
「………」
僕はiPadから、美希さんが勤務している風俗店を調べた。文字入力をし、検索をタッチする。液晶画面に店の公式サイトが写り、僕はそれをタッチした。ぼかした女性の写真が載せられており、その下の出勤情報をタッチした。美希さんの出勤情報を確認すると、今日も出勤することが分かった。