二人だけの秘密
「………」

僕は目をパチパチと瞬きした後、キョロキョロと辺りを見回した。僕の目に、若者から老人まで幅の広い年齢層の姿が見える。

みんな、僕に怪訝そうな視線を注いでいる。

ーーーーーーこの中に、美希さんはいなかった。

どうやら、また夢らしい。

「はぁ、疲れる」

疲れた顔をして、僕はそう呟いた。そして、バスの窓から外を眺めた。


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