二人だけの秘密
「いらっしゃいませ」

いつも通り松岡店長が、笑顔で僕を出迎える。そして、待合室に案内された。

「今日は、誰にしましょう……?」

「佐藤利恵さんで………」

「申し訳ございません。利恵は、本日休むことになったんです」

「えっ!」

松岡店長の衝撃的な言葉を聞いて、僕は驚きの声を上げた。

「ど、どうしてですか?ネットのホームページには、今日は出勤する予定でしたよね」

僕は怪訝そうな表情を浮かべながら、松岡店長にうわずった声で訊いた。

「はい。確かにそうでしたが、急な用事の為、本日はお休みになりました。誠に申し訳ございません」

頭を深々と下げて謝る、松岡店長。

「急な用事って、何ですか?」

僕は、かすれた声で訊いた。

「それは本人のプライベートのため、お答えはできません」

ーーーーーーまぁ、そりゃそうだ。

「美希さん………」

僕の不安な感情が、一気に込み上がる。

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