二人だけの秘密
「暑い」

やはり外は、うだるような暑さが続いていた。

今日は天気予報を見ていなかったが、あの爆サイの掲示板通り、40度近くまで上がりそうだ。

「この前まで、春だったのに………」

僕は額に浮かんだ汗を拭い、カバンに入れた冷やしたペットボトルの水をゴクゴクと飲んだ。

口の中に冷たい水が駆け抜け、カラカラだった口が一瞬で潤う。

「やっぱり、夏には冷えた水だよな」

蝉の鳴き声と、冷やした水を飲む勢い。この二つを体験すると、夏が来てるということを自然が教えてくれる。

「水がなくなりそうだし、コンビニで買っとくか?」

僕は家を出て、近くのコンビニに向かった。なだらかな坂道を降り、右に曲がる。そしたら、すぐにコンビニが見える。


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