ラムネ瓶にさよならを
そんなこんなで今日も狭いベンチに二人で座る。
手が触れない程度に距離をとって。
駄菓子屋の中にある扇風機の微妙な風と、蝉の音がリンクしてなんだかさらに暑くなってきた。
時々聞こえる風鈴の音と、隣で聞こえる息遣い。
制服が少し汗で張り付いてきている。
私は最後の一口を飲もうとして、ぐっとラムネ瓶を持ち上げた時。
「なあ千夏、恋人になるってなんだろうな」
ずっと隣にいたのに初めて聞く、少し緊張した声が響いた。