私はそんな先輩が。


「ふぅー…」


やっと1時間目の授業が終わった。


梨沙が真剣な顔で言った。


「ねぇ。あれ、大里先輩と歩美さんじゃない?」


大里先輩はいつも3人でいる。
歩美さんと帆波さんの3人で。


「え!ホントだ!
なんで!?」

少し興奮している美香。


「え!は、?え?」


戸惑いすぎてよくわからない私。


「え!絶対夢愛にお礼言いにきたんだって!」


3者3様の驚き方で私たちの周りは収集がつかなくなっていた。


その時。

「夢愛ちゃんって子いる?」


少し扉を開け、顔をのぞかせた歩美さんが言った。


美香も立ち上がったから、一緒についてきてくれるらしい。


歩美さんたちの前まで行くと、2人から感じる視線。


ドク、ドク、ドク

いつもより早くなっていく心臓。


「ありがと。」


私の身長にあわせて少しかがんで大里先輩が言った。

ニコッとそういった先輩を見て、好きが溢れてたまらなかった。


「はい!!」


気の利いた言葉も返せないくらい、いろいろな感情が混ざっていた。


お礼を言った先輩たちはすぐに帰っていった。

この日はずっと大里先輩の言葉がリピートしていた。

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