はじめて知った世界の色は
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それから数日が経って、いつも晩ごはんを食べてお風呂に入ったら夜は緑斗との時間。
緑斗は私が敷いてあげた布団がお気に入りで部屋ではそこが定位置になりつつある。
「そういえば最近、翠ちゃん言わないね」
「んー?なにが?」
私もベッドでゴロゴロしながらファッション雑誌をめくっていた。
「眠くなったら外に出ててって言わなくなった」
確かに最近は眠くなると部屋の電気を消して寝てしまう。誰かがいると気になって眠れない体質だったのに。
「だ、だってほら、緑斗が河川敷で暇潰してると思うと可哀想だしさ」
「本当にそれだけ?」
緑斗が珍しく聞き分けが悪い。わざと煽られてるような気がしてムッとした表情をしてみる。
「なにが言いたいの?」
「俺のこと好きなんだろ?」
「……!!」
心臓が勢いよく跳ね上がって、思わずベッドから転げ落ちそうになってしまった。
「ななな、なにを言ってんの?ぜ、全然意味わかんない」
口が上手く回らない。開いていた雑誌はグチャグチャになっちゃうし、お風呂に入ったのにヘンな汗をかいてきた。