はじめて知った世界の色は


「そうなの?」

「週明けの月曜日で最後だからうちのクラスにも顔見せにくるかも」

「そっか。……美人かあ」

なに、ちょっと頭の中で想像しちゃってる感じ。美人と強調したのは私だけど、まさか緑斗が食いついてくるとは思わなかった。


「……興味あるんだ」

「ないように見える?」

「うん」

「あはは、即答」

だって緑斗の見た目は彼女いらないと言っている男子と一緒で中性的。女装とかしたら確実に私より可愛いと断言できるレベル。

だから初恋エピソードを持ってるのも意外だったし、緑斗も恋をするんだなあって。


私といても間違いなんて起きる気配もないけれど、緑斗が想いを寄せる人ならまた違った顔をするのかなって考えてみたりして。

ちょっと余裕がない顔とか、男らしい顔とか、その長い指先で誰かのことを優しく触ったり。そんなことを緑斗がしたりするのかなって想像したら、また胸が少しだけチクリとした。

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