はじめて知った世界の色は
ちょっとしたハプニングもあったけどなんとか午前中の仕事を終えて、やっと自由時間になった。
とりあえず由実とかき氷を食べにいくことになったけど、廊下にいた呼び込みの生徒たちに捕まってなかなか前に進むことができない。
……うちのクラスもこのぐらい熱心だったら、お客さんがたくさん来てくれるのになあ。
そんなことを思いながら、その呼び込みをあっさりとすり抜けて緑斗はカラフルに彩られた校内をキラキラとした笑顔で見ている。
こうしてはしゃいでると本当に子どもみたいなのに、昨日みたいな雰囲気になると緑斗は急に顔を変える。
それが反則的にズルいから、緑斗は天使なのか悪魔なのかよく分からない。
やっと呼び込みの生徒たちから逃れた私たちはそのまま階段をおりて中庭へと向かった。
かき氷が売っているテントに行くと〈ふわふわかき氷 残り3食〉と書かれていて、もう少し遅かったら食べられないところだった。