はじめて知った世界の色は
明日へのガーデンクォーツ
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それから2日間の文化祭が終わった。
藤沢先生は1日目しか来なくて売れ残った駄菓子をたくさん買って帰ってくれたけど、出し物としての利益はトータルでほとんどなくて私たちに配られたのは缶ジュース1本だけ。
箱買いすればかなり安く手に入るバヤリースなんてみんな10秒で飲み終わって各々が打ち上げに行く中、私はいつもどおり家に帰った。
体育祭終わりのような疲労感はないけれど、祭りのあとのような空虚感は少しだけある。
そんな気持ちを口には出さずに晩ごはんを食べてお風呂に入って、一息ついたところで「夜のさんぽに行こう」と久しぶりに誘われた。
日曜日の夜はなんだかとても静かで、そんな日に限って星はひとつも出ていない。
……これじゃ星座の話ができないじゃないか。
だから私たちは珍しくなにも話さない。
私のかかとを擦るような足音だけが響いて。
そういえば私、緑斗の足音も知らないや。
知らないことばかりだけど、知らないままのほうが良かったこともあるって知ってる。
それでもこうして夜のさんぽに誘ってくれたこと。
なにを言おうか頭でぐるぐると考えてる緑斗の横顔を確認して。やっぱりきみへの興味のほうが勝ってしまったことが、あの日よりもずっとずっと悔しかった。