はじめて知った世界の色は
多分きっと日頃から私への不満があったのかもしれない。
夜遊びに誘っても毎回断るところとか、恋愛相談をされても経験がないから表面的なことしか言えなかったし。
エリは派手で可愛いのに、友達の茅野さんは地味だよねって影で言われていることは知っていた。
そんな小さな格差が日に日に大きな溝になって、エリは私に対して物足りなさを感じていたんだと思う。
だからハッキリと自分の意見を言った瞬間に、考え方が違うと見切りをつけられて。尚且つ『そんな人と一緒にいたらダメ』だと言った言葉が上から目線に聞こえたのかもしれない。
――『ねえ、茅野さんってさ。エリの彼氏狙ってるんでしょ?自分の顔鏡で見たことある?ブスがなに言ってんだって話なんだよね』
エリの周りにはエリの考え方に賛同する仲間たちがたくさんいた。
いつの間にかエリの立場は学校でも上になっていて、エリを取り巻くように強い女子たちが集まるようになってた。
エリの敵は私たちの敵。
学校で集団行動から外れてるような人たちなのに、ひとりを標的にした団結力は本当にすごくて。
その標的にされた私はまるでストレス発散の道具のような扱いをされた。