はじめて知った世界の色は
バチバチと夜行虫が群がる外灯の明かりで、少しだけ顔を確認することができた。
すらりと高い身長にサラサラとした髪の毛。男らしいというより可愛らしい顔をした男の子は多分、私と同い年ぐらいだと思う。
……こんな時間にひとりで外にいるなんて怪しすぎる。って、私も人のこと言えないんだけど。
襲われたらどうしよう、なんて恐怖はなくて。
むしろ怪しくしてもなんでもいいから私を拐ってくれないかな、なんて思ってしまっている私は相当重症だと思う。
「……ねえ、きみってもしかして」
そんな気持ちとは裏腹に男の子が私に近づいてくるたびに心臓の鼓動が速くなる。
なんなの、私の意気地無し。
どうなりたいのか、どうしたいのか、もう自分でもワケ分かんない。
「俺のこと見えてるの?」
「え……?」