はじめて知った世界の色は
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それから1時間が経って私はソワソワとした気分で外にいた。日が沈みはじめて暑さは多少和らいだけどまだまだ蒸し暑い。
手で風を作りながら聞き慣れない足音で私は歩く。
カラン、コロン。
その響きが可愛くて、わざとコンクリートを強めに踏みながら緑斗はまた河川敷かな?それとも商店街かな?なんてキョロキョロとしながら歩いていると……。
「……翠ちゃん?」
何故か後ろから疑問形の問いかけ。
私はくるりと振り向いて、照れくさいから緑斗の反応を待たずに自分から喋り始める。
「浴衣、お母さんに頼んで着せてもらったの。
だから……これから夏祭りに行こうよ」
地域の祭りは外を歩けばあちらこちらに日時を知らせるポスターが貼ってあって、それを見つけた日から水族館の時のように緑斗はずっと『行きたい行きたい!』と連呼していた。
もちろん私の返事はノー。
近所の人がたくさん居る祭りで、しかも地元民じゃなくてもいっぱい人が集まってくるのにって。
でも気が変わった。
だから、ちょっとサプライズ。