はじめて知った世界の色は
夢の中まで追ってきたその声はなにひとつ変わらなくて、見下されている視線もそのまま。
「なんで学校に来たの?別に茅野さんがいなくても誰も気にしてなかったよ?」
「うんうん。むしろすごく平和だった!クラスメイトも一致団結して全然茅野さんが休んでることなんて忘れてたっていうか、逆に最初からいたっけ?みたいな」
本当にこの人たちはなにも変わらない。
私のことが気に食わないのなら無視していればいいのに、いちいち突っ掛かってくる。
「エリ~?茅野さんが学校にきたよ。超ウケるよね!」
エリという名前に私の眉がピクリと反応した。
夏がはじまる前に見たエリよりさらに派手な髪色になっていて体型もかなり痩せていた。
「ふーん。来たんだ」
座ってる私を下から上まで見渡して友達関係だったことが嘘みたい。
「ずっと休んでればよかったのに。なに?うちらのことをまた先生にチクりにきたの?それとも仲間に入れてほしいって頼みにきた?」
エリは腕を組ながらクスッと笑って、他の女子たちも私を嘲笑うように見ていた。