絶対に、離さないで。(仮)
「お父さんったら、急に飲み会だって電話してきたのよ。こっちはもう夕飯作っちゃったっていうのに!」
「はあ」
「折角作ったのに余っちゃったら勿体ないじゃない。ねえ?」
「そう、ですね・・・・・・」
またしても、絵里子の”断れない圧”を受ける天宮。
すでに手を洗い、食卓に座らされている。
「ごめんね、天宮くん」
「いや、いい」
「はーい、ご飯とお味噌汁ね」
「いただきます」
「どうぞ」
手を合わせて、夕食を食べ始める。
「ねえ、天宮くん」
「はい」
「琴葉とはどういう関係?」
「ただのクラスメイトです」
「そう?それにしては随分親しいようだけど」
ニヤニヤと笑みを浮かべる絵里子。
「本当にただのクラスメイトです」
「ふうん。天宮くんはあくまでそのつもりなのね」
チラッと琴葉に視線をやる。
「え?」
「琴葉はどう思ってるの?」
「私は、天宮くんと仲良くなりたいなって思ってるけど」
「へえ」
「(お願いだから、そのニヤニヤはやめて・・・・・・)」
「お母さん、天宮くんならいいわよ」
「ちょっとお母さん!?それってどういう意味」
「え?天宮くんならお婿さんに来てもいいのよってこと」
それ以外に何があるの?というような顔をする。