絶対に、離さないで。(仮)



「お邪魔しました」


夕食を食べ終えると、お茶で一服して天宮は帰って行った。


「本当、いい子ね。イケメンだし、礼儀正しいし。まあ、ちょっと顔が強張ってるけど」


完全に天宮に心酔している母・絵里子。


「もう一回言っておくけど、天宮くんとはそう言うんじゃないからね」


「わかってるってば。今は、でしょう?」


「はあ・・・・・・」


「(ダメだこりゃ)」


絵里子は天宮マジックにかかっているらしい。


いくら弁解しても、絵里子にはキラキラの未来しか見えないようだ。


部屋に戻ると、ベッドにダイブする。


「天宮くんを好きになるとかなくて、純粋に仲良くしたいだけ」


「(そう、そうだ)」






ああ、また心臓が苦しい。
< 27 / 31 >

この作品をシェア

pagetop