絶対に、離さないで。(仮)
「お邪魔しました」
夕食を食べ終えると、お茶で一服して天宮は帰って行った。
「本当、いい子ね。イケメンだし、礼儀正しいし。まあ、ちょっと顔が強張ってるけど」
完全に天宮に心酔している母・絵里子。
「もう一回言っておくけど、天宮くんとはそう言うんじゃないからね」
「わかってるってば。今は、でしょう?」
「はあ・・・・・・」
「(ダメだこりゃ)」
絵里子は天宮マジックにかかっているらしい。
いくら弁解しても、絵里子にはキラキラの未来しか見えないようだ。
部屋に戻ると、ベッドにダイブする。
「天宮くんを好きになるとかなくて、純粋に仲良くしたいだけ」
「(そう、そうだ)」
ああ、また心臓が苦しい。