幼なじみじゃ、なくなった夜。
幼なじみじゃ、なくなった夜。
私の肌を滑る手が熱い。
いや、熱いのは私自身なのかもしれない。
すっと脇腹を撫でられて、あ、と思わず声が漏れる。
そんな私の声に、ぐ、と切なげに顔を歪めた彼が腰を進めると、
「んっ…!」
「…おまえ、さっきから煽りすぎ…」
見たことない顔した彼が、私の中で激しく動いた。
私の喉の奥からは、呻きとも、悲鳴ともつかぬ声が溢れて。
見たことない顔した彼と。
聞いたことのない、甘い声を出す自分と。
私は縋るようにただ、自分に覆い被さる、熱い体に爪をたてる。
「…夏帆…っ!」
チクリと首の辺りに痛みを感じて、
パッと目の前が弾けて、飛んだ。
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