幼なじみじゃ、なくなった夜。
「…どっかで思ってた。そう言われんだろうなって」
「…ごめん」
「謝ることじゃねぇから」
「…いっぱい待たせてごめん」
「だから謝んなって!余計切なくなんだろーが」
「うん…ごめん」
あ、と口を抑えた私に、榎波が苦笑いして、ポン、と私の頭に手をのせた。
「いいよ。お前が幼なじみのままでいたいんだったら、俺はそうする。…努力するよ」
いっぱい考えて、思ったんだ。
こんなに答えが出ないということは、そういうことなんだろうって。
“…榎波先輩が可哀想です”
これ以上振り回せないよ。