幼なじみじゃ、なくなった夜。





「……帰るか」



「………うん」





榎波がクルリと背を向けて、前を歩き始める。




さっきと距離は同じはずなのに、なぜだかそれが、物凄く遠くに感じた。





今までと同じ、“幼なじみ”という距離に戻ったはずなのに。




もう絶対に、前には戻れないような、そんな気がした。






< 101 / 162 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop