幼なじみじゃ、なくなった夜。





「瀬戸内先輩っ!」




その鈴を揺らしたような可愛らしい声にハッとして見ると、黒ニットにストライプのスカートをバッチリと着こなした足立さんが歩いてくるところだった。



その手に持っているお盆の上にはオムライス。食べるものまで可愛らしい。




「偶然ですね!もし良ければ、ご一緒してもいいですか?」




…え?ご一緒?マジですか??




こないだの資料室の一件以来、なんだか気まずく思っていたのは私だけだったようだ。




彼女は私の返事を待たずに、私の紙コップの隣に自分のオムライスを並べた。




…恐るべし、若者。恐るべし、キラキラ女子。



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