幼なじみじゃ、なくなった夜。
しかも足立さんはそれだけでは飽き足らず、とんでもないことを口走りはじめた。
「榎波先輩っ、こっちです!」
えぇえ!?
思わず足立さんが微笑みかけている方に視線を向けると、お盆を持ったままギョッとした顔をしている榎波が立っていた。
だけど、私と目が合った途端榎波はフッと真顔に戻り、涼しい顔してこちらに向かって歩いてくる。
そして足立さんの正面の席に牛丼がのった自分のお盆を置くと、「よ。偶然だな」と私たちに向かって話しかけてきた。
「…あ…うん…」
「つーか夏帆、お前何にも食べてねーじゃん」
「あー…まぁ…」
普段通りの口調で話しかけてくる榎波と、明らかにいつもとは違う様子でモゴモゴ喋る私を、足立さんと愛理がじっと見つめている。
うぅ…気まずすぎる…。