幼なじみじゃ、なくなった夜。
「えーっ!…もう、涼平もそういうこと言うんだ」
「涼平…も?」
「榎波もいつもそればっか言うんだよね。まぁ弱いのは事実だから仕方ないけど…」
「そうなんだ」
「しかも、アイツ私の酒ばっかり取り上げて自分は目の前でガバガバ酒飲むの。ほんと、嫌味たらしいったら…」
…って。
私なに、榎波の話をベラベラと。
「そういえば、今日は榎波は何やってんの?」
「え?今日?知らないけど…」
「…ふーん。二人いつも一緒にいるのかと思ってた」
「そんな、いつもいるわけじゃ…ないよ」
涼平が何かを考えるような素振りでグラスの中の氷を揺らす。
なんとなく不意に訪れた沈黙が気まずくて、私はビールのかわりに枝豆を口の中に放り込んだ。