幼なじみじゃ、なくなった夜。
えっと、確かさっき、そろそろ二次会に行こうという話になって、みんなでお店を出て、それで…なぜこの状況?
全く分からないが、チューはしない。絶対しない。
お酒のせいか、ホワホワしてグラグラする脳みそでもそれだけははっきりとそう思えた。
でも。
コンクリートの壁に押し付けられた手を振り払おうとしても全く力が入らない。
おまけに
「離して下せ〜よぉ…」
なんか呂律も回らないし!
下せぇって何だよ〜!
その間にも、「夏帆ちゃん可愛い♡」と笑みを深めた浜崎先輩の子犬フェイスがどんどん近付いてくる。
唇が触れるまであと、3センチ、2センチ、1センチ…
「ちょっ…やめ…!」
「…にやってんすかっ!!」
そんな焦った声と共に、グイッと、荒々しく私から浜崎先輩が引き剥がされた。