幼なじみじゃ、なくなった夜。
お昼休み。
自分のデスクでお昼をとっていると、榎波からLINEがきた。
【今日仕事終わったら、会える?】
…正直かなり気まずい。
けど、残念ながら今日の夜は何も予定がない…。嘘ついて断るのも、なんかなぁって気がするし。だって大人だもん。
わざわざ嘘ついて断るなんて…なんか、私が物凄く、昨日のことを気にしてるみたいじゃん。
【大丈夫だよ】
塾考の末そう返事をした。
なるべくいつもと同じ雰囲気になるように、お気に入りのクマのスタンプもつけた。
榎波からはすぐ返事がきた。
【じゃぁ仕事終わったらエントランスで待ち合わせしよう】
えっ…待ち合わせ?
私と榎波はいつも決まった居酒屋に現地集合して飲むことが多い。
お互い仕事が終わる時間も違うし(大抵榎波の方が少し遅い)会社から待ち合わせなんてしていったら、あらぬ噂をたてられそうで怖いし。
どうして、今回に限って?
【いつもの居酒屋でしょ?現地集合でよくない?】
【いや、今日はいつもと違う所行きたいから。】
立て続けに届くLINE。
【なるべく早く行くから、待ってて】
…なんか榎波、いつもと違う。気のせい?
そこで午後の就業時間になってしまい、私は親指をたてたクマのスタンプだけ押して、LINE画面をとじた。
…なんか緊張するな。