幼なじみじゃ、なくなった夜。





「はぁ~…」




ただでさえ憂鬱な月曜日。


だけど、ことさら重く憂鬱な気分で、その日私は出勤していた。




理由はただ一つ。




金曜日、愛理に連れていかれた経理&営業親睦飲み会での失態だ!!



あぁ、思い出すだけで頭を掻きむしって叫びだしたい衝動に襲われる。



慣れない焼酎を飲みまくったあげくに酔い潰れ、その勢いでなぜかはじめて喋った営業の先輩にキスを迫られ、そこを榎波に見られ助け出され、あげく家のベッドまで運ばせるという…




あぁ…もう…なんて日だったんだ!!




エレベーターの前でハァ、と再び大きなため息をつくと、こちらを見て何やらコソコソ話している女子社員二人組と目が合った。


なぜか私と目が合った途端、慌てて目を逸らし黙り込む二人。





なんだろう、と思ったが、それだけでは大して気にも留めなかった。





でも。




心なしか、エレベーターの中でも、廊下でも、そして自分のデスクで仕事をしている最中も…





常に誰かに見られ、噂されているような気がする。



なんの噂かはわからないけど。




…たぶんこれは気のせいじゃない。



だって、痛いもん。女子社員からの突き刺さるような視線が。




なぜ!?




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