幼なじみじゃ、なくなった夜。
「…あ、ご、ごめん」
我に返り慌てて中に乗り込む。
そして“閉”のボタンを連打!
「いやそんなに連打しなくても閉まるから」
冷静な榎波のツッコミ。
「あ、あはは、そうだよね~…」
やばい。
私明らかに慌てすぎ。
だってまさかここで榎波と二人きりになると思わなかったから!
慌てる私とは対照的に、スーッと、スムーズに上昇していくエレベーター。
落ち着け。落ち着け私。
金曜日のこと、謝るなら今しかない。
全然難しいことじゃないから。
榎波の前で酔っ払ったことなんて数えきれないほどあるし、サラッと、「金曜日は迷惑かけたわね?」って、大人
の微笑みでサラッと…!
「金曜はごめんな」
そう、金曜は…って。
「…え?」
今、私じゃなくて、榎波が謝った?