幼なじみじゃ、なくなった夜。
18時。定時だ。
順調に今日の職務を終えた私は、パソコンの電源を落とした。
「夏帆、今日帰りに一杯どう?
昨日の話詳しく聞きたいし」
同じようにパソコンの電源を落とした愛理が、向かいの席から声をかけてくる。
「あー…ごめん。今日は先約あって」
「あら。もしかして榎波?」
「!!!」
思わず動きを止めた私に、愛理がニヤリと口角をあげる。そして私の耳元に顔を近づけると、色気たっぷりの声で囁いた。
「また、同じ服で会社…こないようにね?」
「!? くっ、来るわけないでしょ!バカ!」
それじゃぁお先に!と、カバンを引っ掴むと逃げるように部署を後にした。
愛理め…絶対、面白がってる!