幼なじみじゃ、なくなった夜。
「榎波!今日の放課後、暇っ?」
あれは確か高校一年生の時。
その日は榎波の誕生日で、私は榎波に誕生日プレゼントを渡そうとしていた。
「お、今年は何くれんの?当日に間に合わせてくるの珍しいな」
「はぁ?ちょ、何もらう気満々でいるわけ。違うから、プレゼントとかじゃないから!」
「あっそ」
と言いつつ嬉しそうに笑った榎波の顔は覚えている。
いつからか、私たちはお互いに誕生日プレゼントのやり取りを毎年していた。まぁお互いにお金なかったし、全然大したものではなかったんだけど。
ちなみにその年は、榎波が前から読みたがっていた漫画をプレゼントするつもりだった。
だけど、高校生になった榎波は異様にモテ始めていて、私は昼休み、学年でも派手なことで有名な女子グループに囲まれていた。