幼なじみじゃ、なくなった夜。
「ごめん。無理」
本日の業務終了後。
帰り支度をしている愛理を飲みに誘ってみたら、速攻で断られてしまった。
「今日は久しぶりに彼氏と会う約束してるんだよね」
「あー、そうなんだ…」
思わず肩を落とす私の顔を、愛理が心配そうにのぞき込む。
「何かあった?彼氏キャンセルしてもいいけど」
「えっ?いいよいいよ!別に何もないから、彼氏と楽しんできて!」
「そう?」
危ない危ない。愛理に変な気を遣わせてしまった。
私はなるべく元気を装って、帰り支度をする。
今日は真っすぐ家に帰ってお風呂に入って早く寝よう。うん、そうしよう。