幼なじみじゃ、なくなった夜。
「夏帆。今更だけど、聞いて欲しい。あの時は傷つけてごめん」
体を私に向けてガバッと勢いよく頭を下げる涼平。
「…そんな、もういいよ」
「…そんで、俺が言うなって感じだけど、一つだけ言わせて欲しい。元彼氏として、一つだけ」
涼平が顔を上げて、真っすぐに私を見る。
「後悔だけはすんなよ、夏帆」
ストン、と胸の奥深くに落ちた。
――あの夜から、何度もしていた後悔を
私はもうしたくない。